河内藤園

北九州市にある日本有数の広さを誇る私営の藤園。1977年4月開園。
1000坪の大藤棚を中心に、藤ドームや藤トンネルをめぐらせています。

さまざまな藤の花が順繰りに咲き乱れ、その色彩と芳香で来園者を魅了します。

花は、野田長藤、口紅藤、赤紫、青紫、紅、白、八重、長、中、短の各種。22種類で計150本。アメリカCNNから「日本の最も美しい場所31選」に 選出されるなど注目を集め、国内外から多くの観光客が訪れる観光地となりました。


Location

見頃:4月下旬~5月中旬

入園料:500~1500円(開花状況により変動)

トイレ:あり

駐車場:現在、事前チケット制

その他:紅葉時期も見頃(300円)


Impressions

2015年4月28日訪問撮影(入園料1000円)


口コミで人気加熱

河内藤園はここ数年で口コミが世界に拡散して人気が急激に高まった。しかしいざ現地を訪ねたいと思っても、必要な情報が見当たらない。いつが満開なのか。そもそもどこにあるのか。最寄りのバス停から歩いて1時間? 謎が謎を呼んで人気が過熱した側面もある。2015年は藤園へ至る一本道で最大4時間待ちの大渋滞が発生した。

2016年は公式サイトを開設、JTBに前売り入園券の販売を委託し、自らシャトルバスの運行に乗り出した。北九州市とも協議して道路に電光掲示板なども設置してもらった。熊本地震の風評被害による外国人客の減少もあり、大型連休中の満開時でさえ人の流れは物足りないくらいスムーズになった。河内藤園は「世界のどこかにある秘密の花園」から「気軽に行ける実在の植物圏」になった。

来園者の増加は河内藤園の園内も変えた。1年にせいぜい千人の花見客が愛でるだけだった藤の木は、数万人の観光客に根元を踏まれてすっかり弱ってしまった。以前の無防備な状態にしておくことはできず、木の周囲を竹で囲う、木製通路を敷設して人の移動を制限するなどの保護手段を講じるも、2015年は大藤棚の大枝が枯死し、2016年は全体に花が痩せて出来が悪かった。天候不順が主たる原因だといい。

主人が知名度の向上を素直に喜んでいないのは間違いがない。河内藤園が季節を代表する観光地に育ったという気負いはなく、想定超の観光客に踏み荒らされた藤園の状態を憂えている。今後は「団体バスツアーの禁止や大幅な料金改定などを検討」(パンフレット)するそうだ。

(2016年追記)